【歌詞・考察】米津玄師 『Azalea』歌詞の意味は?アザレアの花言葉は?ドラマ「さよならのつづき」

2024年11月14よりNetflixで配信開始されたドラマ「さよならのつづき」、有村架純と坂口健太郎がダブル主演を務める作品で、岡田惠和のオリジナル脚本によって制作されています。本作の主題歌は米津玄師が書き下ろした「Azalea」、今回は歌詞の考察をしていきたいと思います。

引用:https://youtu.be/FqWBQv7h_3I?si=DeqpVGQQaJvg7nTV

【ドラマあらすじ】

「さよならのつづき」は、臓器移植を題材にした愛の物語で、記憶転移というテーマが絡んでいます。主人公のさえ子(有村架純)は、プロポーズされたその日に恋人・雄介(生田斗真)を交通事故で失ってしまいます。傷心から立ち直ろうとしていたさえ子の前に現れたのは、雄介の心臓を移植された成瀬(坂口健太郎)という男でした。成瀬は見た目や性格が異なるものの、どこか雄介と重なる部分があり、さえ子は次第に彼に惹かれていきます。一方、成瀬もさえ子に心を寄せるが、移植された雄介の記憶が成瀬に影響を与えていることが次第に明らかになっていきます。成瀬の妻・ミキはこの変化に複雑な思いを抱えながらも、二人は逢瀬を重ねていく物語となっています。

©Netflix

【Azalea歌詞】

今回の歌詞はアザレアという花にたとえて歪な愛のカタチを表現しているように感じます。また、曲調もドラマの内容にあった穏やかな雰囲気となっています。

咲いてた ほら 残してった挿し木の花 あの時のままだ
私は ただ あの時と同じように 君の頬を撫でた

ずっと側にいてって 手に触れてって 言ったよね 君が困り果てるくらいに
誰も知らぬプルートゥ 夜明けのブルーム 仄かに香るシトラス
二人だけ 鼻歌がリンクしていく

せーので黙って何もしないでいてみない?
今時が止まって見えるくらい
君がどこか変わってしまっても
ずっと私は 君が好きだった
君はアザレア

眩むように熱い珈琲 隙間ひらく夜はホーリー
酷い花に嵐 その続きに 思いがけぬストーリー
どうやら今夜未明 二人は行方不明
積み重なるメッセージ そのままほっといて

目を見つめていて もう少し抱いて ぎゅっとして
それはクリムトの絵みたいに
心臓の音を知ってエンドルフィン 確かに続くリフレイン
ずっとそこにいたんだね

遣る瀬ない夜を壊して 感じたい君のマチエール
縺れ合うように 確かめ合うように 触って

せーので黙って何もしないでいてみない?
今時が止まって見えるくらい
君がどこか変わってしまっても
ずっと私は 君が好きだった

泡を切らしたソーダみたいに
着ずに古したシャツみたいに
苺が落ちたケーキみたいに
捨てられない写真みたいに
そこにいてもいなくても君が君じゃなくても
私は君が好きだった
君はアザレア

【タイトル「Azalea」の意味は?花言葉は何?】

引用:Azalea | 米津玄師 official site「REISSUE RECORDS」

アザレアの花言葉は「節制」「慎み」「優雅」「恋の喜び」などがありますが、今回のアザレアはジャケ写からも分かるように白のアザレアです。

白のアザレの花言葉はずばり、「あなたに愛されて幸せ」「充足」「満ち足りた心」などがあります。白いアザレアは恋人、夫婦などが一緒にいることでの満たされていく幸せを表現した花言葉となっています。

【歌詞考察】

咲いてた ほら 残してった挿し木の花 あの時のままだ
私は ただ あの時と同じように 君の頬を撫でた

「挿し木の花」とは既存の植物の茎や枝の一部を切り取って土や水に植え、そこから新しい植物を育てる方法であり、その花のことを指しています。ドラマ「さよならのつづき」では、心臓移植により、中町雄介(生田斗真)から成瀬和正(坂口健太郎)へ命が繋がれて行きます。歌詞の挿し木の花とは心臓移植のことを指していると思われます。

ずっと側にいてって 手に触れてって 言ったよね 君が困り果てるくらいに
誰も知らぬプルートゥ 夜明けのブルーム 仄かに香るシトラス
二人だけ 鼻歌がリンクしていく

プルートゥ(Pluto)は冥王星のことを表しています。また、ブルーム(Bloom)は「花開く」という意味があります。誰も知らぬプルートゥや夜明けのブルームから、二人だけの世界を表しているを示唆しているように感じます。

せーので黙って何もしないでいてみない?
今時が止まって見えるくらい
君がどこか変わってしまっても
ずっと私は 君が好きだった
君はアザレア

「君がどこか変わってしまっても ずっと私は きみが好きだった」これは雄介の心臓が成瀬の体にいるとしても抑えきれない、さえ子の感情を表しているもではないでしょうか。

眩むように熱い珈琲 隙間ひらく夜はホーリー
酷い花に嵐 その続きに 思いがけぬストーリー
どうやら今夜未明 二人は行方不明
積み重なるメッセージ そのままほっといて

「酷い花に嵐」という表現は、感情や状況が荒れ狂っている様子がうかがえます。これは、雄介を失った出来事を「酷い花に嵐」、その後の成瀬との出会いを「思いがけぬストーリ」と表現しているように感じます。さえ子と成瀬の距離が近づいている雰囲気を感じる歌詞ですね。

目を見つめていて もう少し抱いて ぎゅっとして
それはクリムトの絵みたいに
心臓の音を知ってエンドルフィン 確かに続くリフレイン
ずっとそこにいたんだね

「クリムトの絵みたいに」という表現は、オーストリアの画家グスタフ・クリムトを指しています。クリムトの作品には、特に愛や情熱、親密な関係を描いたものが多くあります。
エンドルフィン」という言葉は、幸福感や快感を引き起こす脳内の物質を指しています
リフレインは音楽で繰り返し の部分を指します。「リフレイン」は心臓の音を表現した言葉だと考えられます。さえ子が成瀬の心臓の音を聴くシーンを連想させますね。

遣る瀬ない夜を壊して 感じたい君のマチエール
縺れ合うように 確かめ合うように 触って

「マチエール」という言葉は、フランス語で「画材の質感」や「塗りの質感」を意味します。これは雄介の心臓の音でけでなく、成瀬に対しての感情があらわれているさえ子を表現しているように感じます。

せーので黙って何もしないでいてみない?
今時が止まって見えるくらい
君がどこか変わってしまっても
ずっと私は 君が好きだった


泡を切らしたソーダみたいに
着ずに古したシャツみたいに
苺が落ちたケーキみたいに
捨てられない写真みたいに
そこにいてもいなくても君が君じゃなくても
私は君が好きだった
君はアザレア

「泡を切らしたソーダ」は、かつての活気や楽しさが失われ、冷めた状態。
「着ずに古したシャツ」は、使われなくなった、または時が経て忘れられた状態。
「苺が落ちたケーキ」は、完璧だったものが欠け、崩れてしまった状態。
「捨てられない写真」は、過去の思い出を意味している。
これらのような状態つまり、「そこにいてもいなくても君が君じゃなくても 私は君が好きだった」ということです。これは、雄介が雄介出なく成瀬の体にいたとしても愛していたという、さえ子の感情を比喩を使って表していると思われます。

【まとめ】

この曲を聴いて私は、ドラマにあった最高の歌詞を書いてくださるなぁと心から感じました。
米津さんにしか表現できない独特な歌詞で儚い恋愛模様を表現している印象でした。ドラマもとても面白いので、まだ見ていない人はぜひ見て下さい!

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